面食いだから仕方ないよね

別に、自分の容姿がいいと思っているわけではない。
特にブサイクな方には入らないだろうとは思うけど、特別可愛いとも、特別キレイだとも思っていない。

だからと言って、好みのタイプもそこそこの容姿でいいと思えないのが厄介なところだ。

とにかく、昔から面食いな私。
これはきっと母親譲りなのと、小さい頃からジャニーズ番組を見せられていたことも関係あるんじゃないかと思うけど、一般的にかっこ良くて、見た目でモテている人を好きになることが多かった。

何よりもまず好意は顔から入り、背が高く、少しほっそりとしていて、やっぱりジャニーズ顔が大好きなのだ。
そして、明るさが取り柄の目立つ性格のおかげか、そこまで容姿が良いわけでもない私でも、そんないわゆるイケメンたちに気持ちが通じることが多かった。

しかし、それは問題だった。
要は、妬みがとんでもなかったのだ。
イケメンゆえに、その他大勢の彼らに好意を寄せる女子たちがいた。そこからすれば、「なんでお前が…」という発想になるみたいだ。

陰湿なイジメまではいかなかったけど、根も葉もない噂を流されたり、直接彼に吹き込む奴もいた。
しかし、割と無頓着な性格の私は、そこまで悩むほどの重大さは感じなかった。

それよりイケメン好きで問題なのが、やはり顔だけで入ることが多いため、浮気癖の酷い男だったり、まさかの亭主関白だったり、性格に難ありという男が結構いたということだ。
“男は顔じゃない”という女は確実に嘘だとは思うけど、“顔だけではダメ”なことは確かだなと今更感じている。

スタッフに本気で恋したお客様

以前私はアパレルで販売員をしていました。
レディースのセレクトショップだったのですが、1名だけ男性のスタッフがいました。
いわゆる雰囲気イケメンで彼は顧客様をつかんでいました。
そんな中、彼に本気で恋をしてしまっているらしいお客様がいました。

とても可愛らしい方で20代前半のOLさんでした。
ふんわりした雰囲気の方で他のスタッフともよく話をしてくれましたが、彼からしか購入しないという断固とした気持ちを持った方でした。
アパレルショップには顧客様限定のセール期間というものがあります。
日頃お世話になっているお客様をご招待してのセールです。
その期間は各スタッフ多くの顧客様が来店され、一人とじっくりお話をするのはなかなか厳しい状態です。
そんな中あのお客様が来店されました。
彼女はじっと男性スタッフの手が空くのを待ちながら彼を目で追いつつ、店内を見て回っていました。
私たちも気遣ってお話しにいきますが、やはり彼でないとだめなようでした。
ほぼ閉店近くなった頃、彼の手が空きやっと彼女とゆっくりと話すことができていました。
その時のお客様の顔はとても嬉しそうで、頬が赤くなりながら彼が勧めた服を試着され、かなりの量をご購入いただいていました。
しばらくして彼が不在の日に彼女が来店されたことがあり、初めてゆっくり話す機会がありました。
私が彼を好きなことみなさんにはバレバレですよね、すみません、とお客様から言われ、この方は本当にあのスタッフのことが好きなんだと改めて思いました。
実は彼には彼女がいて、お客様の想いはかなうことがないようでしたが、一生懸命彼を好きでいてくれている姿は思わず応援したくなるほどかわいらしかったです。
恋をしている姿は素晴らしいなと思わせてくれました。