好きになった方が負け

よく恋愛って、「先に好きになった方がいいなりになりやすい」って言うけど、確かにそうかもしれない。
私は特に駆け引きが苦手だから、好きになったらストレートに感情を表現して、失敗してしまった恋愛もあった。
クールにした方がいい?でも、クール過ぎても、相手が大事にされていない「特別感」みたいなのを感じないと恋愛だって長続きしないはず。

だからよく、「ツンデレ」とか言うのかな。ギャップがあって、さらに「甘える」、「甘えさせる」関係を築いていく。そんなうまい技が私にもできたらいいのにと心から思う。

でも、好きな人のために「あれしたい」「これしたい」って、皆考えるはず。じゃ、その尺度の違いで「好き度ゲージ」が多い方が損をしてしまうってことなのかな。いやいや、そもそも、恋愛に損得ないと信じたい。

尽くすタイプ、甘えるタイプとか、恋愛をしているとそういう話題になるけれど、尽くすタイプはきっと相手のためじゃなくって、最終的には自分のために相手に尽くしているんじゃないのかな。
きっと、自己満足で相手がもしかしたらしてほしくないことまでして「あげている」と勘違いしていることだってたくさんあると思う。彼氏彼女の関係じゃなかったら、言葉は悪いかもしれないけれど、俗に言う「おせっかい」になってしまうんだもの。

そう思うと、やっぱり「好きになった方が負け」って言う考え方もいいけれど、「好きになった方が愛は深い」と思うのは少し違うような気がする。もしかしたら、「おせっかい」って思ってしまっても全てを受け入れてくれるような相手の方が「愛は深い」のかもしれない。

美容師さんへの淡い本気の恋心

私はたいてい好きになった人には告白してきましたが、たった一人だけどうしても本気の告白ができなかった人がいます。
それは私が通っていた美容院の美容師さんです。
担当の人ではなく、私が通い始めた頃新入社員としてそこに入っていた人でした。

とても話しやすく、顔もかっこよくおしゃれでいいなと思っていたのが始まりでした。
ずっとその美容院に通っていたのですが、だんだんと年月が経つうちに本気で気になるようになってきてしまいました。
よくお互いの恋愛話などもしていたので、何度か勇気を出して誘ってみようかとも思いましたが、どうしても勇気がでませんでした。
私がお客様だからいっぱい話してくれるだけだろうなと思い、自分の気持ちを必死で打ち消していました。
しかし美容院の前を通るたび、彼がいないかひそかにチェックをしてしまっていました。
本気で恋していたんだろうなと思います。
当時は名前を聞くタイミングを逃してしまっていて、通い始めて7年目くらいで初めて名前を知ることができました。
その名前も忘れないようにと何度も頭の中で繰り返し言っていたのを覚えています。
その後、私は今の主人となる人に出会い、幸せな結婚をしました。
その報告に行ったときに、美容師さんも結婚することがわかりました。
とても幸せな中だったのですが、なんだか微妙に失恋したような気にもなりました。
好きだったんですよとその時初めて伝えることができました。
早く言ってよと笑いながら冗談のように話していましたが、本気で好きだった私はやっと一つの恋愛を終えることができたような気がしました。