恋をした時の選択
最近私は一人の友人を失った。
その時は意味も分からず、ただただ悔しくて悲しかったが今なら分かる。
失う原因はその友人が恋をしていたからだ。
彼女とは同じ職場内で知り合ったのだがすごく仲好くなったのは本当に最近で1年ほど前からだ。
仕事が終わり家に帰れば若者に人気のチャットを使って夜遅くまで会話をし、休みの前の日にはご飯を食べに行ったり愚痴をこぼすために飲みに行ったりしていた。
極めつけに休みの日にはどこか遠くに出掛けたり、パワースポットなんかもまわったりした。まるでわたしと彼女が恋人であるかのごときべったりでいつも一緒だった。
そもそもそこが間違いだと今は思っているけれど。
ある外出先の車内の中で彼女から好きな人が出来たと報告を受けた。彼女はわたしよりも大分年上だったから遅い恋の報告にわたしもまるで自分が恋をしたかのように嬉しかった。
でもそこから歯車が狂い始めた。
彼女の好きな人も同じ職場内だったが私は全く接点がない人だった。それでも彼女は話すのが恥ずかしいからまずはわたしににその好きな人と仲良くなって欲しいと言ってきた。
大好きな友人の頼みだから何か協力出来ることはないかと思って別の友人を介して飲み会のセッティングをしようと計画していた。
わたし自身本当に全く接点がない人だったのでどんな人なのか情報をもらったりしていた。その中で分かったことが「タバコを吸う女性が苦手」ということだった。
彼女はいつもタバコを吸っていたのでそれはまずいと思ってすぐに彼女に伝えた。
「タバコを止めるか好きな人の前ではタバコ吸わないほうがいい」ということを。
そしたら彼女がキレた。あんたは私にこの恋を諦めろと言ってるのかと。
わたしからすればむしろ彼女にとっていい情報を教えてあげたと思っていたから本当にびっくりした。
何より飲み会のセッティングをしたり彼女が知らない情報を教えてあげてるのにそういう風に思われた事がショックだった。
もちろん全て飲み会の話もキャンセルにしてもらった。彼女にはそういう風に思われた事が残念だけど今回はひとまず飲み会の件は断ると伝えた。もちろん本当はガツンと嫌味の一つや二つ言いたかったが彼女がすぐにごめんと謝ってくるのを期待していたから我慢した。
期待は外れた。むしろわたしが悪者にされていた。
会社であっても無視された。納得いかなかった。
好きな人が出来ると周りが見えなくなる人がいる。でも長年一人で生きてきたからもちろん自分もかわいい。
だから自分の事を悪く言われるとすごく腹が立つのだ。
その事にわたし自身気づいた時私が恋をしていた時もきっとたくさんの人を傷つけ迷惑をかけていたんだなと気付かされた。失った後では取り戻せないものもたくさんあるからだ。
恋をする時の選択は本当に気をつけなければいけないと思った。