甘えすぎてごめんね
高校生の頃に初めてした飲食店のバイトで、彼氏ができた。
2つ年上の大学生で、短めの髪は金色に近かったけれど、どこかクールな雰囲気を持ち合わせている人だった。
社会で上手に生きていく術を沢山知っていたし頭もよかったから、話をする度に色々と新しい事を教えてくれて本当に毎日が楽しくて楽しくて仕方がなかった!
時間が出来ると、当時流行っていたビックスクーターで私の通っていた高校まで送り迎えをしてくれたり、プリクラを撮ったり映画を見たり、両親が共働きで誰もいなかった私の家では、部屋のベッドで愛も確かめあった。
一日に何度も何度も確かめあった日もあった。
口数は多くはないけれど、ふと笑った時に口が横に広がる所がとっても好きだった。
いつも話を聞いてくれて、「も~お前は子供なんだから」と頭を撫でられ、時にはそれは違うんじゃないの?と道を正してくれたりしてくれる自慢の彼氏だった。
そんな彼の前で私はわざと大人にならなかったんだと思う。沢山甘えても受け入れてくれる彼に完全に身を任せていたのだろう。
きっとそんなわがままな所に飽き飽きしてきたのだろうと思うのだが、彼の心が少し離れてしまった気がするな。と思う日が増えた。
キスやエッチもなんだか私から求めてばかりになったのが淋しくなった。
彼には他に好きな人ができたのだ。
私には直接言わなかったが、そんなのは大好きな彼を見ていればすぐに分かった。
彼は、小さいころからずっと一緒で、彼の家の斜め前に住んでいる幼馴染と付き合う事になったらしかった。
もしかしたらずーっとその子の事が心のどこかで好きだったのかもしれない。
いつも私とその子を頭の中で比べて、お前は子供だな、と言っていたのかもしれない。
大好きだった彼には私は幼すぎたんだね。
もう少し大人になればよかった。
さようなら。
思い出すだけで胸の奥がまだ痛い、私の初めての失恋。
愛しい人の子を産みたい
そうだ、このまま彼女たちに子供ができたら、男と違い子供がある程度大きくなるまでは時間が奪われ私なんかと会う機会はほとんどなくなる。
30代前半はいい、後半は?40代は?50代は?
そのまま誰も新しい友達ができなかったら?私は毎日一人でご飯を食べて、隣の家族のあたたかそうな灯りを眺めているんだろうか?
そんな寂しさと不安が心に染み込んできました。
一人は嫌いじゃない、でも、本当にいつまでもこのままだと独りなんだ。
それは初めて感じるショックでした。
若い時には思いもしなかった、本当の自分のリアルな将来像です。
覚悟がいるんだ、そう思いました。
男女関係なく、独りで生きる。
独身で生きていく、ということは、流されてそうなったらいつか寂しさや心細さに負けてしまうんだ、今のうちから自分はどういった生き方をしていくのか、10年後どうありたいのか、それを見据えて生きていける人だけがきっと、独りを満喫できるんだ、と気づきました。
まったく考えないのではなく、もしかしたら突然友人のように婚期が訪れるかもしれないし、独身のままかもしれない。
そうした未来をイメージして今を生きないといけない、と気づき最近では異性をむげにせず、それもまた人生の楽しみとして少し肩の力を抜いて夢ばかりを追うのではなくこの人生の日々を充実させる生き方を、友人の結婚で学びました。